以前より、地図を見ると奇妙な形をしている野付半島ってどんなとこだろうと思っていました。知床半島と根室半島のちょうどまんなかあたりに、釣り針のような、あるいは海老のような形をした日本最大の砂嘴です。全長は約28km。内海の野付湾（尾岱沼、おだいとう）と外海の野付水道に挟まれていて、対岸16kmの位置には北方領土（国後島）があります。この日は霧のせいで国後島はあまりよく見えませんでした。
霧が出ていて少し見にくいですが、道路の両側は海です。右は内海の尾岱沼、左は外海の野付水道です。このあたりが半島が一番せまいところで、その幅は数十メートルしかありません。
α7CR＋FE PZ 16-35mmF4G
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bombo99/20240624/20240624180343_original.jpg
半島には真ん中当たりまでポツポツと人家があり、また先端の方に漁業関係の施設やネイチャーセンターなどがあるので、半島の先の方まで延々電柱・電線が伸びています。霧に隠されて先の方は見通せず、地の果て感が半端ないです。
α7RV＋FE70-200mm F2.8 GM2
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bombo99/20240624/20240624180307_original.jpg
ただ、オジロワシやエゾシカ、その他の小鳥などの動物が多く見られ、また沿道にはエゾカンゾウやハマナス、センダイハギなどが咲いています。時期的には少し早かったようで、もう２，３週間から１月位後の6月末〜7月中旬位にはさらに多くの花が咲くそうです。上の写真の沿道に咲いている黄色い花はセンダイハギです。
α7RV＋FE70-200mm F2.8 GM2
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bombo99/20240624/20240624180247_original.jpg
α7RV＋FE70-200mm F2.8 GM2
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bombo99/20240624/20240624180231_original.jpg半島先端に向かって車を走らせると、ナラワラの茂みが見えます。野付半島は年々地盤沈下しており、ミズナラ、ダケカンバなどの林が海水に浸かって立ち枯れた様子をナラワラと読んでいます。ワラとは原っぱの意味とのことです。
α7RV＋FE70-200mm F2.8 GM2
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bombo99/20240624/20240624180041_original.jpg完全に立ち枯れる前の林もあります。
α7RV＋FE70-200mm F2.8 GM2
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bombo99/20240624/20240624180153_original.jpg
青空だったのに霧が湧くように出てきて、あっという間に霧に沈んだり、しばらくする晴れたりを繰り返していました。
α7RV＋FE70-200mm F2.8 GM2
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bombo99/20240624/20240624180123_original.jpg
α7RV＋FE70-200mm F2.8 GM2
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bombo99/20240624/20240624180058_original.jpg
もう少し行くと、トドワラが出てきます。トドワラとはナラワラと同様、地盤沈下によりトドマツ、エゾマツ等の原生林が立ち枯れたものです。ナラワラの方はまだ周辺に緑の林が残っていますが、トドワラの方はもっと荒涼とした風景になっています。
α7RV＋FE70-200mm F2.8 GM2
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bombo99/20240624/20240624180007_original.jpg
α7RV＋FE70-200mm F2.8 GM2
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bombo99/20240624/20240624175946_original.jpg
α7RV＋FE70-200mm F2.8 GM2
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bombo99/20240624/20240624175910_original.jpg
野付半島の風景は他では見られない独特のものでした。特に今回は一日ほぼ霧が出ていて、余計に地の果て、荒涼感が半端なかったです。できれば違う季節、違う天気の日にまた来てみたいです。
なお、泊まった旅館で出てきたウニ、花咲ガニ、キンキ、ホタテ等の魚介類は、これまで食べたことがないくらい新鮮で豊かな風味でした。
