南の島の鉄道
南大東島には、かつてサトウキビを輸送する鉄道が昭和58年まで走っていました。シュガートレインと呼ばれています。島の4箇所に線路跡が残っています。
↓ α7RV + FE24-70mm F2.8 GM2
線路跡付近にはシュガートレインの説明板が立っています。詳しく知りたい方は、下の写真をオリジナルサイズでご覧ください。
↓ α7RV + FE24-70mm F2.8 GM2
島内のふるさと文化センターには、貨車を牽引していた蒸気機関車とディーゼル機関車が保存されています。保存状態はあまり良くありませんが。
↓ α7RV + FE24-70mm F2.8 GM2
↓ α7RV + FE24-70mm F2.8 GM2
絶海の孤島の海
北大東島と南大東島の最短距離は8kmで、互いに相手の島が見えますが、それ以外は完全に海だらけです。外海に浮かんでいるだけに、荒れるとかなり波が高いそうですが、行った時は幸い海は穏やかで真っ青というより、黒ずんだ海でした。きっと透明度が高くて光が吸収されてしまうからだと思います。
↓ α7RV + FE24-70mm F2.8 GM2
北、南とも大東島は隆起珊瑚礁の島なので、海岸はすべて断崖でビーチというものがありません。なので、なんとか海で泳いでみたいものだと、北にも南にも何カ所か岩礁をくり抜いてプールを作り、泳げるようにしてあるところがあります。
↓ α7RV + FE24-70mm F2.8 GM2
↓ α7RV + FE24-70mm F2.8 GM2
プールといいつつも、波が荒いと外の海水がどんどん入ってきます。魚もたくさん入ってきていました。次来る時は、シュノーケル持っていて、泳いでもいいかなと思います。
↓ α7RV + FE24-70mm F2.8 GM2
↓ α1 + FE70-200mm F2.8 GM2
台風の島、大東島
大東島は台風のコースによく入りますから、台風情報等で南大東島のことを聞いたことがあると思います。南大東島には、気象台が設置されています。
↓ α7RV + FE24-70mm F2.8 GM2
昔、NHK第二放送で、気象通報というものを聞いたことがある人がいると思います。今もやっているかどうかは確認してませんが。
たとえば、「南大東島では、北北東の風、風力3、快晴、16ヘクトパスカル、29度」とかいうようなアナウンスが、全国数十カ所の観測地点ごとに発表され、この情報をつなぎ合わせることで天気図を描くことができます。かつては、インターネットなど便利なものはありませんから、登山する人は、明日の山の天気予報は山小屋で気象通報聞きながら天気図を作り、自分で判断しなければならなかったのです。学生時代、山岳系のクラブに属していましたので、先輩から気象通報聞いて天気図作る訓練を何度も受けました。たいしてうまくなりませんでしたが(笑)
台風銀座の南大東島には気象台があって、重要な気象観測地点なのでしょう。毎朝8時半頃に、高層気象観測のためのラジオゾンデが自動放球装置で放たれます。朝から起きて、その様子を見に行きました。ラジオゾンデによる観測は全国16箇所で行われているそうです。
↓ α7RV + FE24-70mm F2.8 GM2
↓ α7RV + FE24-70mm F2.8 GM2
ラジオゾンデは真っ白なので、かなりの高度になっても肉眼で見えます。白い点がゆらゆらと動いていて、UFOだと勘違いする人がけっこういるらしいです。
ラム酒製造
島を巡っていると、急に「南大東空港」という古い建物にぶつかりました。えっ、なんでこんなとこに? と思いましたが、よく見ると以前の南大東空港だった建物です。現在の南大東空港は新設したものだそうです。
↓ α7RV + FE24-70mm F2.8 GM2
今は「グレイス・ラム」という南大東島のさとうきびを使ってラム酒を製造する会社になっています。
↓ α7RV + FE24-70mm F2.8 GM2
グレイス・ラムの会社情報や商品は以下のサイトから。注文もできます。
https://rum.co.jp/
建物のまわりではラム酒の香りがぷんぷんします。入ってみると、赤ラベルと緑ラベル他のラム酒とラム酒入りケーキとが売っていました。いかにもお酒の好きそうな社員の人がいて、ご本人は赤ラベルの方が好きだと言うので、そのお言葉に従い赤ラベルのラム酒とお土産用にラム酒入りケーキ8箱買いました。
珊瑚礁だった島
何度も書きますが、両大東島はかつての珊瑚礁が隆起してできあがった島です。島の形としては、まわりを岩礁が取り囲み、かつての礁湖(ラグーン)だった所には土が堆積して盆地になっています。ただ、一部には陸地になりきれなくてかつての礁湖が陸封されて、何カ所も沼になって残っています。
かつて赤道直下あたりにあって、珊瑚礁となり、長い年月をかけて日本近海まで移動して隆起してできあがった島。この沼はそうした太古の礁湖の名残だったのかと思うと、感慨深いものがあります。
↓ α7RV + FE24-70mm F2.8 GM2
隆起珊瑚礁の島なので、地質は珊瑚礁石灰岩を基盤としています。そのため、鍾乳洞もあります。写真は「星野洞」という鍾乳洞の入口です。もちろん鍾乳洞に入って写真もたくさん撮りましたが、ここでは割愛します。実は鍾乳洞というのは、なんか動物の腸とか内臓のひだのよう見えて、個人的感覚としてグロくて嫌いです(笑)。
ただ言えるのは、この鍾乳洞は大きくて立派でよく保存されていて、たとえば秋芳洞なんかより見応えがある思います。鍾乳洞好きの方はどうぞ。
↓ α7CR+FE PZ 16-35mmF4G
信号機
島内はたいして自動車も走っていないのですが、一カ所だけ信号機があります。
↓ α7RV + FE24-70mm F2.8 GM2
これは島の子どもたちが島外に出たときに戸惑わないようにと設置された、いわば教育用信号機です。北にも同じような用途の信号機があります。北、南とも島内にあるのは小中学校だけなので、高校は沖縄本島などに行くようです。
話は少し飛びますが、前出の北大東島振興機構 事務局長の葉棚さんによれば、高校生、大学生になると島外に出て行くし、また高齢になって介護が必要になると島内に介護施設はないので、やはり島外に出て行くとのことです。そのため、北、南とも、島内にいる人口のうち若手の働き手の比率が高く、沖縄県内でも平均年齢は低く、平均所得は高い方にあるとのことでした。統計値を見るには、そうした実情を知らないと行けませんね。