大東島 船による積み降ろし

沖縄本島、北大東島、南大東島の三カ所は、飛行機以外に当然のことながら船でもつながっています。船も三角運航しています。船の名前はだいとう、690トンの比較的小さな貨客船です。下図のような運航がされています。
この図は、下記サイトから引用しました。
「たびらい 沖縄観光情報」(https://www.tabirai.net/sightseeing/okinawa/info/traffic/ferry10.aspx

だいとう運行表(2024年現在)

那覇を出てからまず南大東島に入ってくるのを「南(大東島)先行」、北大東島に入ってくるのを「北(大東島)先行」と現地では呼んでました。詳しくは聞きませんでしたが、南先行と北先行が交互に運航されているんじゃないでしょうか。

大きな荷物は飛行機では無理なので、だいとうが運んできます。船は平均すると6日程度に一回入港してくるようです。食料品や冷凍品、家電、自動車などの大きな荷物は船でないと運べません。また、だいとうは人も運び、旅客定員は55名です。

北大東島に滞在中の7月17日に、ちょうど船が入港してくるので人や荷物の積み降ろし状況を見に行きませんか、と北大東島振興機構 事務局長の葉棚清朗さんに誘われたので行きました。葉棚さんには、北大東にいる間、色んな所へガイドしていただいたり、レクチャー受けたりなど大変お世話になりました。

以下の写真は、すべてα7RVFE70-200mm F2.8 GM2で撮影しました。

 

海の状況により、島のどの港に入ってくるか異なります。この日は西港に入ってきます。

北大東島 西港  向こうに見えるのは南大東島
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bombo99/20240723/20240723211349_original.jpg

大東島は北、南とも隆起珊瑚礁の島で、すべて断崖で囲まれているので、波穏やかな入り江というものがありません。そのため、岸壁に直接接岸すると波の影響を受けてしまうので、少し離れた位置に停泊して人も荷物もクレーンで積み降ろしを行います。船は係留ローブで岸壁と海上の係留ブイを用いて固定されます。

近づくだいとう
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bombo99/20240723/20240723211417_original.jpg

だいとうが近づくと、準備開始です。上の写真の右側に見えている小舟がロープを係留するために、海に浮かべられます。これもクレーンの役目です。

吊り下げられた小舟
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bombo99/20240723/20240723211455_original.jpg

係留作業中のこぶね
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bombo99/20240723/20240723211520_original.jpg

係留作業を終えた小舟は、また陸上に移動されます。

戻される小舟
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bombo99/20240725/20240725004518_original.jpg

だいとうが固定されたところで、クレーンによる積み降ろしが始まります。まずは人からで、コンテナ大のケージに人が入ってクレーンで降りてきます。機会があれば、この船に乗ってケージで乗降してみたいなあと思います(笑)

人を乗せるケージを船に移動
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bombo99/20240723/20240723211612_original.jpg

ケージで移動中の人達
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bombo99/20240723/20240723211626_original.jpg

だいとうから降りてきた人達
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bombo99/20240723/20240723211640_original.jpg

この日の降客は二人でした。一人の方は段ボールのようなものを抱えておられるので、沖縄本島で何か買い物して帰ってこられたのかもしれません。

人の次は、白いコンテナの冷凍品、その次は〒マークの付いた郵便物コンテナです。

冷凍品のコンテナ
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bombo99/20240723/20240723211645_original.jpg

郵便物コンテナ
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bombo99/20240723/20240723211702_original.jpg

緑の郵便物コンテナはそのまま陸上に運ばれましたが、青のコンテナはこの後の荷下ろしに邪魔なために一時的に下ろされたようです。おそらく、緑のコンテナは北大東島郵便局向けで、青のコンテナは南大東島郵便局向けのものではないかと思います。

船には、オートバイや自動車も積まれています。だいとうは貨客船であってフェリーではないので、積まれていた自動車は商品なのだと思います。

下ろされるトラック
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bombo99/20240723/20240723211713_original.jpg

この後にクレーン車は船首の方に移動して、そこに積まれている一般品のコンテナを下ろします。下ろされたコンテナは、フォークリフトが荷さばき場まで運んで、そこで村役場、農協など関連する人々が共同で仕分け作業を行います。

荷さばき(みんなで共同して行う)
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/b/bombo99/20240723/20240723211723_original.jpg

この日、後から北大東JAの売り場に行くと、事前に島の人々が予約した名前の入った段ボールに色んな品物が入った物が積まれていました。棚には久しぶりにパンなどが並びますが、夕方にはめぼしいものは売れてしまうらしいです。

船は約1週間後にしか入ってきませんから、買いそびれると次まで待たねばならず、台風など時化が続くと、1月近く物が入ってこない時もあるそうです。
離れ小島の生活は、便利すぎる都会生活者には想像できないような苦労があるんですね。

次回以降、島の自然や遺跡等を紹介します。